明治35年、天祥鎮信公の二百年忌に際し、心月公は年間を通じて百回の茶事を東京の蓬莱園にて行ない、それをもって流祖の追善としました。100年の後、平成14年、鎮信公の三百年遠忌を迎え、私としては門人各位の協賛を得られる限りの追善を行ないたく思いました。これから永く流儀を続けていくためにも、三百年という大きな節目をできるだけしっかり、入念に迎え、送りたく思ったからであります。本年10月の長崎にての追善の会を残していますが、昨年6月の下関松要会献茶式、11月平戸雄香寺にての遠忌法要、去る2月、雄香寺での追善の意を込めた「残香の茶会」二席、それに4月東京明治神宮にての明治天皇記念献茶式、鎮信公献茶式と追善茶会、各々大過なく相済み安堵しています。又、4月5日より2週間あまり、明治神宮文化館にて行ないました「大名茶道鎮信流三百年――明治天皇と平戸松浦家」と題した展示会もご覧になった方々に鎮信流に対する認識を新たにしていただいたと思います。
門人各位、展示会の共催をお願いした(財)松浦史料博物館には大変ご苦労をおかけしましたが、ご助力に感謝いたしております。
宗家
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