初釜に参加して
松風会宇和島支部 大嶋由美
 令和6年1月8日、選仏寺において宇和島支部の初釜が行なわれました。穏やかな1日になり、掛物の「日出でて乾坤輝く」のような澄み切った心持ちになりました。
 新年の挨拶の後、参加者七名で会食をし、続いて私が続薄茶の点前をさせていただきました。新年早々、能登半島地震や航空機事故など、たくさんの悲しい出来事が次々に起こり、自分にできることをしようと考える日々でしたが、被災された方々へ祈りをこめてお点前をさせていただきました。
 準備された茶入れや茶碗の一つ一つが、新年の寿ぎにあふれていました。「雲収まりて山岳青し」のように、雲に覆われていたものが、一気に晴れ渡り、希望に満ちた未来になるようにと心から願うばかりです。
 皆様と共に、本来のお茶の精神に立ち返り、肩の力を抜き、取り繕わない自然体でお茶に向き合えるように、これからも日々精進し、稽古に励んでいきたいと思った初釜の一日でした。