柳営茶会に参加して
松親会 高田和哉
初夏のような好天に恵まれた3月16日(土)、長いコロナ禍を経て護国寺で4年半ぶりに開催された柳営茶会は、茶道文化を楽しむ人々にとって待ちに待ったイベントでした。鎮信流は、不昧軒において濃茶席を担当しました。

柳営茶会は、徳川家ゆかりの武家茶道4流派が集う貴重な場であり、石州流伊佐派、小堀遠州流、安藤家御家流、そして鎮信流の各流派がその格式と歴史を示す茶会です。参加された皆さんは、茶道の奥深さを感じながら、一服の茶を喫しつつ心を落ち着かせる時間を過ごされたと思います。
今年の柳営茶会で、私は本席の花生けを仰せつかりました。シロバナマンサク、ユキヤナギ、アイリスの葉、それを流祖鎮信公お手作りの風格ある寸胴竹花入に生けます。最初はなかなかイメージが沸かず、いざ生け始めてからも形を整えるのが難しくて、とても苦労しました。席入りされた方からは、「自然な感じで良かった」というお言葉を頂きましたので、散々苦労して生けたことが表に出ていなかったとすれば成功と言えるのかな、と思った次第です。

茶会が始まってからは、1席目の陰点て、2席目のお点前、3席目の半東を務めさせて頂き、至らないながらも、日常の喧騒を忘れる貴重なひとときを過ごしました。茶室には静寂と趣が漂い、御宗家様の美学が深く味わえる空間でした。

柳営茶会は、茶道を愛する人々にとっては年に一度の楽しみであり、茶道の精神を共有する場として大変意義深いものとなりました。来年もまた、このような格式ある茶会が開催されることを楽しみにしています。