和敬会十六羅漢追懐会茶会にて
松親会 小関 微笑子
 夏日の5月20日(土)、護国寺において和敬会十六羅漢追懐会が開催され、多くの方々が、和敬会の成り立ちや設立時に関わった先達の茶道に対する思いを偲ばれました。
 和敬会は、華奢に流れていた茶道を本来の姿に戻すことを目指して、明治31年に松浦心月(詮)公や岡崎淵冲らが会を興し、後に安田松翁、益田鈍翁等が加わり、16名になったことで十六羅漢と呼ばれることになったそうです。
今回は松親会地引支部長による新たな執行部として、初めての茶会で私も緊張いたしました。当日、鎮信流は濃茶席を担当し、薄茶席は織部流淵冲派。
私は、花の活け込み、菓子担当、案内とこのホームページを受け持つことになりました。
本席の床の花は、夏はぜ・ヌルデ(白膠木)・白とピンクの撫子で、一対の蛙耳染付尊式の花入れによく似合っておりました。ヌルデは聞きなれない名ですが、別名、カチノキ(勝の木)といい、聖徳太子が蘇我馬子と物部守屋の戦いに際し、ヌルデの木で仏像を作り、馬子の戦勝を祈願したとの伝承があり、武家にとっては縁起のある木です。
菓子は、平戸百菓之図より一幸庵製の涼しげな「青茶巾」をお出ししました。
 また、ご案内をさせていただきながら、大寄せの茶会では、時間に縛られてお客様への心配りがおろそかになることもあり、いかにお客様に心地良くひと時を過ごしていただけるかと、無い知恵をしぼり出すのに苦労致しました。
 ただ、本席から漏れ聞こえる和やかな声の響きが、この和敬会の意図に沿っていることに安堵いたしました。