柳営茶会
松親会 高田 和哉
   
平成28年6月5日、武家茶道四流派(小堀遠州流、石州流伊佐派、御家流安藤家、鎮信流)の宗家・家元が席をもたれる徳川家ゆかりの柳営茶会が、音羽の護国寺茶寮にて開催されました。今回は30回目ということで、徳川宗家 恒孝氏ご夫妻が各席を回られ挨拶をされました。茶会当日は夜半から雨が降っており、関東に梅雨入り宣言が出るという生憎のタイ ミングでしたが、幸いなことに茶会が始まる頃には雨は上がり、鮮やかさを増した新緑が映える茶会日和となりました。
今年の鎮信流 は不昧軒にて濃茶席。ご宗家様のお心のこもった格調高い設えでお客様をお迎え致しました。
私は午前中3席の半東と点前を仰せつかりました。柳営茶会では過去にも何度か濃茶を練っているのですが、きれいな所作を意識し過ぎたせいか流れが今ひとつで、早くから並んで私の点前の席に入ってくれた友人には、「いつもより緊張されてましたね」と看破されてしまいました。床に掛けられた静山公の書は「楽水」でしたが、臨機応変に対処しつつも水の流れのように淀みなく動けるよう、これからも精進して参りたいと思う次第です。