亀山八幡宮での献茶式を終えて
佐世保支部・長崎国際大学 嶋内麻佐子  
 2月11日(日)の建国記念日には、毎年亀山八幡宮にて4流派が1年毎に交代で献茶を行うようになっております。今年は、鎮信流がお役を賜りました。
 この日、亀山八幡宮では様々な奉祝行事が執り行われました。例えば、佐世保公園から亀山八幡宮まで日の丸行進や、境内の拝殿では楽器による奉納後に鎮信流の献茶があり、続けて献花がございました。
 拝殿の中は大変に冷え込んでおりましたが、献茶に際して、多くの方々が列席なさいました。太鼓の音が高らかに響き渡り、祭司による列席者へのお祓いの後、静寂の中で松浦支部長が玉串をお供えし、献茶が始まりました。献茶をなさる安部直樹先生もお祓いを受け、静かに点前が始まりました。拝殿の外では鈴緒を振る音が時折聞こえたり、かすかな声が聞こえたりしましたが、拝殿の中はまるで別世界の静けさでした。  
 
 余談になりますが、安部先生は今年で傘寿を迎えられます。改めて茶道と向き合い、真摯に稽古に取り組まれた様子が背中に感じられました。茶筅を振る音がかすかに聞こえ、白磁の天目茶碗にお茶が点てられると、祭司が拝殿の中央に奉納されました。
 献茶では、多くの鎮信流関係者や茶人の方々、学校関係者が参列し、厳粛な時間が流れました。  
 
 また、献茶後には松清会の皆様方が一人でも多くの方に一服のお茶を差し上げたいとの気持ちから、先輩の先生方が水屋を担当され、呈茶が行われました。茶碗の温もりと共に心の温もりもお届けしたいと、一生懸命に茶筅を振り、約100名の方々へお茶が振る舞われました。会員の皆様も最後にお茶とお菓子をいただきましたが、この日のお茶は格別に美味しく感じられました。