第45回 佐世保市民芸術祭 茶会に参加して
佐世保支部・長崎国際大学  嶋内麻佐子  
 45回という節目を迎えての佐世保市民芸術祭が、令和5年10月8日(日)アルカスSASEBOにて開催されました。ほぼ半世紀にわたり継続されてきた、市民による市民の芸術祭です。
 茶道では、茶道裏千家淡交会佐世保支部と茶道鎮信流佐世保支部松清会の皆さんで呈茶を致しました。
 鎮信流の席は松清会と大学合同で行い、亭主・半東については8席のうち2席が松清会、6席が大学生で対応いたしました。学生たちは、お客様の前に出るとき、緊張感一杯でお点前をしましたが、良い一日となりました。  
 
 今回の道具は、「秋の鳴鶉図」とまるで鶉がのぞいているように、だるま籠に活けた花々に秋の名残を感じていただけたのではないかと思います。やつれ風炉とおたれ釜、信楽の鬼桶、天祥公三百年忌記念の棗、茶杓は宏月様お手作りの茶杓、茶碗は江戸初期に作られた楽山(松江藩の御用釜として始まり一時期途絶えておりましたが、加田半六が引き継ぎ作られた茶碗)、替えには現代の伊羅保。お客様の手の中で時の流れを感じていただきたいという思いで使わせていただきました。
 学生たちは接待も仰せつかりまして、約400名のお客様にお菓子を出す際、松清会の先生方の指導により、懐紙に松葉を敷き、薄色の紙に楊枝を添えて「秋の野」のお菓子をお運び致しました。  
 
 松清会の先生方は水屋で一心に茶筅を振られております。その思いがお客様に伝わるように、学生たちも「把手共行」の気持ちで臨みました。  
 
 また、客として長崎国際大学の1年生40名がフィールドワークとして参加をいたしました。
 このような貴重な機会を与えていただき、有難うございました。最後に学生の生の声をお届けいたします。

 茶道という文化を通して、様々な世代が交流するこのような貴重な機会を経験出来たことを嬉しく思います。私自身大学生になって初めて茶道に触れ、多くの魅力を知ることが出来たので、今回のような機会を通して、大学生をはじめとする若い世代に茶道の魅力が伝わっていって欲しいと感じます。
(国際観光学科3年 Sさんより)

 夏休み期間中から練習を行い、お客様に喜んでいただけるよう頑張りたいという思いで、参加しました。茶道を通して、周りへの気配りや全体を見て動くこと、先のことを予想して考える力等が身につき、自分自身の成長に繋がっていると感じています。今回このような貴重な経験をいただき、ありがとうございました。 (国際観光学科4年 Nさんより)