聖福寺四季釜夏の席
長崎支部松和会 藤岡 瑞枝
 今年の四季釜は6月3日(日)に夏の席を担当させて頂きました。例年より早く梅雨入りしましたために天候が気がかりでしたが当日は好天に恵まれ一気に夏の暑さとなりました。お席を持ちます季節ごとに今回はどのような趣向でお客様をお迎えしようかと頭を悩ませておりますが今年のお席は迷わず「出島表門橋完成記念」のお祝いのお席といたしました。130年の時を超え蘇りました出島の架け橋。新たな日蘭交流が始まりました。昨年11月24日に完成記念式典が行われ、ご宗家様、奥方様もご出席でいらっしゃいました。その前夜はオランダ大使館主催のレセプションも開かれ、SweetHiradoの紹介もあり松和会も呈茶席を持たせて頂きました。
 そのようなことから今回の茶会の趣向が決まりました。いつもとは違った設えを準備しながらもてなす側の楽しみを味わうことができました。
 本席のお軸は鸞州公の御筆による「鍾雅」 美しいもの、雅なものが集まるとの意味だそうです。出島には沢山の美しいものが集まってきたことでしょう。お花はオランダ船に見立てた舟型の花入にシマフトイ、オランダ海芋(オランダ舟に乗って出島に運ばれた花だそうです。またシーボルトが日本名で七段花と名付けた(あじさいの一種)をいれてみました。脇床には長崎の伝統工芸の古賀人形(土人形)西洋婦人とオランダ人の兵隊さんを飾り楽しんでいただきました。お菓子はオランダの皿に色鮮やかな「おたくさ」おたくさの名は紫陽花のことでシーボルトが愛したお滝さんの名から付けられております。
 お点前は隅切棚で平戸長崎のお道具組でまとめ、すっきりとしたお席がととのいました。この日はライデンの方で(先のレセプションに出席されたお一人)との思いがけない出会いもあり大変嬉しい茶会となりました。また一つ新たな友好が始まりそうです。
 最後になりましたが、当日は平戸支部長、副支部長の先生方、又長崎国際大学より先生、生徒さんあわせて29名の方々にも参加していただきました。本当にありがとうございました厚く御礼申し上げます。