2017年3月26日
聖福寺四季釜 春の席
長崎支部松和会 山口 千代子
 聖福寺保存会では表千家、裏千家、鎮信流の三派で四季釜を受け持っています。今回桜の開花も遅れ、少し肌寒い3月26日(日)に鎮信流が春の席を担当しました。「観桜」をイメージした設えのお席で大書院の床にはとても優しく伸びやかな祥月公御筆の「華」のお軸が掛けられていました。薩摩の桜の絵の茶椀、柳桜棗を旅箪笥に仕込み、素敵な桜川の透木釜の前に座っていると、まるで殿様が野原にて満開の桜の下でお茶を召し上げっているお姿が目に浮かぶようでした。
 菓子は“Sweet Hirado東西百菓之図”から生まれた24個の菓子の中から竹炭と黒ゴマ、青芥子のカステラ「平戸の屋根」と平戸松浦家の家紋を表現し、太陽・月・星を捉えた三輪の「空気の痕跡」の二種類をご用意いたしました。 お客様は平戸にゆかりのお菓子に出会えたことを喜ばれていました。

 今回私はお点前と半東を仰せつかりました。緊張のあまりお点前中、目の前のお道具しか目に入らなくて、大勢のお客様の顔を見ることができませんでした。時折、釜の音とお客様と席主の会話が耳に入ってきておりました。又、半東としての動きにはたくさんの課題を残しました。このような経験をさせて頂き有難うございました。これからもお稽古に精進していきたいと心新に致しました。