閑雲亭での懐石
平戸支部松華会 森 三佐子
 
  御宗家様、奥方様の御帰平の折、閑雲亭にて懐石(正午の茶事)を御指導いただきました。松浦史料博物館のご快諾をいただき、閑雲亭での開催という有り難い機会でございますので、支部会員にお知らせし、参加、見学を募りました。
 正客に御宗家様、次客に奥方様がお出ましになり、三客を大原、亭主を大浦、水屋を、髙橋、関、小畑、総括を森が担当させていただきました。事前に、道具や,準備の段取り、進行を、検討、確認いたしました。料理も、できるだけ水屋で調理いたしました。閑雲亭の掃除から、片付けまで一貫して活動することで、心を整えることができました。当日は、知識、技量、経験不足を痛感することばかりでございました。客と亭主、水屋の呼吸が合い、一体となること、そのための修練を積み重ねること、巨視的な視点と微視的な視点を持つこと、先を見通して行動しようとする意識を持続すること…などを目指していかなければと痛感いたしました。参加者の感想として、「点前の稽古に励むと共に、人としての成長が必要だと思いました。」、「懐石の料理を作るつもりで、日々の調理をしようと思いました。」、「一人でできるようになることが目標です。」などがございました。
 ご多用の中、御宗家様、奥方様は、心許ない未熟な私達を励まし、お導きくださいました。
和やかに和敬静寂を具現化するのが懐石、一度きりの茶事にならないよう、継続して茶事を経験するようにとのお言葉に応えることができますよう、それぞれの気質と技量、知識が溶け合い、時機を逃さず、先を見通しての動きができますよう、継続して学んでまいりたく存じます。