平戸支部夏便り~茶杓を作ろう会~
平戸支部 松華会 森 三佐子
 
 平戸支部の按針教室の夏の活動を紹介いたします。按針教室は、按針の館で、月3回活動いたしております。お勤めの方に夜のお稽古の場をとの、御宗家様、奥方様の思し召しにより始まりました。県内外への転勤の場合も、御宗家様、奥方様のご高配、支部長のご厚情により、転勤地区の支部と円滑に連携できまして途切れることなくお稽古を続けております。
 その一人である大原さん(平戸→東京→平戸)は、日課のウォーキング途中の竹林を眺めて、一念発起、竹の花入れ、茶杓作りを始めました。折々に、御宗家様の御指導、御助言を賜り、お流儀の花入れや茶杓について御説明いただきました。御指導を承り、お流儀を学ぶ一人一人への分け隔ての無いお慈しみの深さと大きさを実感いたしました。(ご本人談「始めたら、楽しくて…一本の竹から道具を作る過程を楽しんでいます。御宗家様の御指導は誠に有り難く、感銘を受けました。」)お稽古に自作の茶杓を持参するだけでなく、一人一人にマイ茶杓を作っていただき、それでは私達も…、との流れで按針教室の課外活動として「茶杓を作ろう会」を企画いたしました。県内の感染拡大の兆しの中ではありましたが、ワクチン接種を済ませ、三密を避け、感染対策を行い、8月8日(日)に実施いたしました。
 当日は、御宗家様の御指導、御助言の概要の紹介、竹が茶杓になるまでの工程説明、茶杓の各部の名称の確認後、撓めを作った竹片(本樋・逆樋・変色した黒竹)を削りました。初めてを顧みず、剣先形の櫂先や折撓めに挑戦したり、節下を短くしてしまったり、慣れない小刀に四苦八苦しながら2時間かけて完成させました。充実した楽しいひとときでした。これを機に,お道具への思いが整っていくのではないかと期待しております。
 改めて、御宗家様、奥方様の、按針教室、引いては平戸支部へのお導きに感謝申し上げますと共に、点前の順序を覚えた先にあるもの、あるべき姿を、教室の皆さんと共に目指していこう、コロナ禍だからこそ出来ることを考えていこうと思った1日でございました。