第25回按針忌
2019(令和1)年5月26日(日)
平戸支部 松華会 森 三佐子
           
 平戸市の民間団体「HIRAの会」主催による按針忌も25回を迎えました。「HIRAの会」が灯した交流の灯が海を越え、イギリスやオランダとの絆を深めています。東京二期会のソプラノ歌手の星野恵利さんの歌声が、天界を明るく照らすように響くオープニングの後、英国及びオランダ国家が演奏され、黙祷、主催者「HIRAの会」会長の挨拶、各方面からの献辞(平戸市長、英国大使、ウィリアム・アダムス・クラブ会長、)が続きました。メドウェイ市前市長、大英図書館、ロンドン大学アジア・アフリカ研究所教授の献辞は、猶興館高校の生徒が代読いたしました。
 哀切な尺八の音が流れ、徳川家康に重用され三浦按針となったウィリアム・アダムスが、故国イギリスへの思いを切々と述べた手紙が朗読される中、ご宗家様がお献茶をあそばしました。釜には、ウィリアム・アダムスが漂着した臼杵市からの湧水を注ぎ入れました。1月23日から5月23日までの4か月に渡り、横須賀から平戸まで三浦按針ゆかりの地を訪ねて1,530キロを歩き通された田口様が、お供えをなさいました。
   
 英国人慰霊碑へ、元関西学院大学教授のリチャード&ヘレン・アービング夫妻による献花が行われましたが、献花用の花は平戸ミステリーローズの中の勝薇白を北松農業高校の草花専攻生徒がアレンジしたものでした。行事への関わりが、次世代の平戸の歴史への理解を深め、歴史を紡ぐ機会となっているようです。
 ご宗家様、奥方様、若様を始めとして参加者一同の赤いバラの花の献花の後、外国人墓地発掘調査に対して、ウィリアム・アダムス・クラブ会長からの寄付の贈呈式もあり、ウィリアム・アダムス没後400年にあたる2020年に向けての記念行事の企画や墓地発掘の抱負が語られました。按針サミットも開催ということで、2020年5月は、ウィリアム・アダムス月間となるのではないかと存じます。
引き続き、オランダ公園に移動してオランダ人慰霊碑の献花式が行われました。平戸支部松華会が呈茶を担当し、皆様にお茶一服を差し上げました。若様も水屋でお茶をお点てくださいまして、参加会員一同、恐縮しつつもうれしくありがたい出来事に笑みがこぼれる一日でございました。