茶筅供養会
平戸支部 松華会 古川 節子
         
 穏やかな冬日和の12月12日(日)に松浦家の菩提寺である雄香寺で茶筅供養が営まれました。境内には、囲炉裏風にこしらえていた青い孟宗竹が、清々しく目に映りました。
 庫裏には、平戸支部13名、佐世保支部より2名の15名の出席者の中、各支部より寄せられた茶筅185本と柄杓4本が、朱色の大きい丸盆に姿よく盛られました。
  ご宗家様、奥方様お揃いでお見えになり、大変いい雰囲気が漂う中、一同は御本堂へ移りました。早速、御住職様はお供え物を一つひとつお浄めになり、観音経の読経が始まり、私たちもご唱和させて頂き、ご宗家様、奥方様のお焼香に続き、一人ずつお焼香させていただきました。 ねんごろの読経が終わりますと、ご住職様は、盤珪禅師がお隠れ後行われた300年祭の時のお話をされました。
その中で盤珪禅師(元禄8年、72歳)、鎮信公(元禄16年11月13日、82歳)のお二人の関係、同時代の繋がりの事などをお話しされ、御住職様ならではのお言葉で「因縁はさることながら、こうして鎮信流が今に繋がっているという事は、喜ばしいことであります」というお話をされました。私共は長い歴史に感慨を深くいたしました。
 そのあとお庭に出て、読経の流れる中、茶筅に火が点ると、炎はいろんな思いを乗せて燃え上がりました。姿をとどめていた灰のような茶筅もやがて白い灰となり、意義深い茶筅供養は無事に終わることが出来ました。
  
再び庫裏に戻り、一服のお茶を頂く至福のひと時の中、今回初めての方お二人の紹介もありました。 お二人にはご宗家様方よりお喜びと励ましのお言葉を頂いていました。ご住職様は「初めて当山に見える時は、本来なら261段を一段一段噛みしめながら上がってこられるといいですよ」と諭すように全体的に有り難い教えを頂きました。
 茶筅供養を通し「茶道は…心の修行この外あらじ…」を思い浮かべ、感謝を込め、雄香寺を後にしました。