コロナ禍で茶道への思いが深まる
福岡支部 原文子
 ようやく2月26日、福岡県は「緊急事態宣言、発出中!」(福岡県は「発出中」を使用)が解除されることになり、壱岐も武雄も感染者がほとんど出ずに安堵しています。けれども、まだまだ、油断できないのが現状です。
 3つの地域が集まり支部を形成している福岡支部は、コロナ禍にあって比較的に感染者が少ない地域と、感染者が多い地域があり、現在は夫々の地域での活動が主となっています。この機会にオンラインを駆使し地域を結んだお稽古や茶会ができれば、福岡とは海でへだたる壱岐、お隣の佐賀とはいえ意外に遠い武雄との交流は、一段と高まるのではないかと期待できます。私が所属する福岡では、ベテランの先生方の身を案じることを最優先に考え、介護など家族のためにコロナ対策を必要以上にとらなければならい会員もおり、本部教室でのお稽古はもちろんのこと、各教室の稽古もしばらくお休みになりました。初釜で福岡支部の皆様とも親しく交流できず、美味しい懐石料理や抹茶や和菓子もなく、さびしいお正月となりました。この長い、長いお稽古をしない日々、それぞれどんな暮らしをなさっているのだろうかと気になります。ラインでこんな話題がはいってきました。熱心な若い方から「夢でお点前しました」。いつも忙しいと言っているあの人は「松洽をしっかり読み直しました」という。また別の方は「両親にお抹茶を点てて普段着でもてなしました」。茶花はとんとわからないという人が「ハマギクが手に入った。ショウマの苗をもらったから庭に植えました」。甘党のあの人からは「ときどき和菓子を買い求め季節を愛でています」とわくわくするメッセージが多々・・・それぞれの暮らしのなかで茶道に向かう姿勢がうかがえました。茶道の稽古は、お点前だけでなく、歴史や知識や考えを深める読書もあります。茶道で学んだ礼儀や所作、考え方に思い巡らし日常生活に活かすこともできます。実際にお点前の稽古をしたり、エアギターならぬ、エアテマエ。いわゆる空でお点前の手順の復習をする方法もありましょう。あらためて茶道は日常にありと思いいたります。コロナ禍にあっても茶道を愛する気持ちは変わらず、いえいえもっともっと深くなったという気がいたします。ご宗家・奥方様、松洽会の皆様、そして福岡支部の先生方、壱岐教室や武雄教室、福岡教室の皆様。お元気でお過ごしでしょうか。無性に皆様にお会いしたい今日この頃です。

晩秋 大学の煉瓦塀で見つけたハマギク 

令和ゆかりの地にある太宰府天満宮の梅


和菓子で季節を愛でる