平成最後の総会
福岡支部長 泰松久美子
 平成31年4月1日新年号が令和と決まり、その最後の月、4月20日21日と福岡県筑紫野市二日市、名湯の温泉、創立150年という歴史深い大丸別荘にて、松洽会総会を開催いたしました。私ども福岡支部松祐会は、昨年御宗家様の命によりお稽古場を六本松に創設いたし、今回が皆で協力して行う初めてのお茶会でした。お道具も皆で持ち寄り、濃茶席に祥月公の書を、薄茶席には心月公の書をかけさせていただきました。
 私は、薄茶席担当でした。床のないところに床を作るのは、少々大変でしたが、花入れは閑雲亭の古材に黒蝋梅にベルテッセンを楚々と可憐に1輪ずつ挿しました。香合の代わりに太宰府の神鳥でありますうその鳥の置物を使わせていただきました。うその鳥の置物は縁起物でもあります。太宰府では、正月7日に神事があり「替えましょ、替えましょ」と言って木うそを回し、天神様に誠をいただき、今年の吉を願うという神事のようです。お干菓子にも、うその和三盆(太宰府市・梅園製)とゆきごろもに桜の塩漬けを添えて(下関市・松琴堂特注)準備いたしました。
 この度、足の便が少々悪い大丸別荘でしたが、多くのご参加を頂きました事、各支部の皆様、誠にありがとうございました。お薄席の水屋は、柳本先生、前田先生はじめ、新旧入り混じり頑張りました。又、お手伝いをしていただきました下関支部の皆さん、本当に有難うございました。

 
総会の濃茶席
福岡支部副支部長 山川伊代子
 4月20日・21日に福岡県二日市にある由緒正しい老舗旅館 大丸別荘で鎮信流総会が行われました。平成最後の茶会で、5月1日から元号が「令和」へとかわる貴重な茶会となりました。しかも、同地に位置する太宰府がこの「令和」ゆかりの場所でもありましたことに意義深いものを感じました。
 今回の茶会を開催するにあたり、一年前より大丸別荘の担当の方と何度も話し合いを重ね、茶会の意味を理解していただくとともに会場見学をさせていただきました。濃茶席となる部屋はとても広く、館内にはこのような広い部屋が三つあり、迷路のような廊下に圧倒されました。濃茶席で使う部屋は、床の間全体が一段高く、お客様を下にお迎えするような造りになっています。この床の間を茶室としてどうしつらえていいか見当がつかず、ご宗家様のご指導を賜わり、左右の床を目隠しし、中央の床に卓を置き香炉・香合・一ツ羽を飾りました。お軸をかける天棒は、ご宗家様自らのお手製を頂戴し、お軸をかけさせていただきました。軸は昭和51年に祥月公が福岡にお下りになった際に書いていただいた書でございます。
 花は、一対の唐銅の花瓶にこごめつつじ、芍薬を入れすっきりとした床の間のしつらいが完成いたしました。
 お菓子は百菓の図より「芳野きんとん」を福岡市の鮹松月さんに特注いたしました。ピンクの色は、平戸つつじを思わせる色に仕上がりました。
 この度、私も席主を務めさせていただきましたが、経験不足のため、緊張の連続でした。これを機会に一層精進してまいりたいと思います。また、遠路よりご参加いただいた各支部の皆様には心からお礼を申し上げたいと思います。