平成31年 初釜に出席して
福岡支部 是本 信義
 1月6日(日)は福岡市での松祐会の初釜。早朝中津駅(大分県)をJRの特急で発ち、開始時間の少し前会場のホテルオークラ福岡に着きました。
 会場の和食店「山里」の茶室で、久しぶりにお会いする会員の皆さんに新年のごあいさつ。しばらくご無沙汰の間に、若い人中心に初めて会う方も増え心強く感じました。
 総会ののち、いよいよ初釜。長老柳本先生のお嬢さん佳寿美さんの凛とした中にもたおやかなお濃茶のお点前拝見。
 10年前の大病以来、毎週の福岡でのお稽古、各行事への出席も滞りがちで、自宅での日々の点前もかつて学んだ他流の点前と混こうすることも有りますが、改めて鎮信流の正しいお点前を再確認することができました。  
  
 平成16年4月、茶道についての執筆のための各流御家元訪問の一環として、平戸藩剣術指南役の後裔で防衛大学校の同窓・長嶺公成さん(黒田侯爵の孫)の案内で藤沢市の御宗家様邸に伺いしました。
 武家茶のあり方について色々伺いましたが、中でも「鎮信流は元来平戸藩士の心の修行の手段だった。禅の緩やかなものと考えればよい」、また「茶の湯の点前はしっかり基本を学ぶことに尽きる。これは何にでも通じることである」の教えには深い感銘を受けました。
 この訪問時の御宗家様、奥方様のお人柄に打たれその場で入門した次第です。
 私は幼少の頃から裏千家のお茶を習い始め、途中で宗徧流に移り、今鎮信流を学ぶなどその茶道歴は70年余りになります。
 思うに、茶道界きっての格式の高さと、和気あいあいの雰囲気を併せ持つ鎮信流、これも御宗家様、奥方様によるものと存じ上げ茶道修行の終わりにこの鎮信流を学んでよかったと、改めて認識することのできた今年の初釜でした。感謝です。


平成最後の初釜
福岡支部 原 文子
 1月6日日曜ホテルオークラで、今年も、初春をことほぐ初釜が行われました。福岡、壱岐、武雄から集まった会員24人、床の間には、祥月公様より松祐会に頂戴したお年賀(昭和51年1月)のお軸、青磁の砧の花入れには蝋梅、松、椿を挿し、お床飾りを清々しく演出いたしました。会員のみなさまは久しぶりの再会にあちらこちらで歓談が弾みました。福岡支部では、昨年8月に本部のお稽古場がアクセスも便利な、福岡の副都心六本松にできました。その名も松祐会本部六本松教室。これから核となるお稽古が始まり、松祐会の将来へ向けての大きな一歩となりました。また、新年度を迎え、諸先輩と若い人たちで構成した事務局を設立いたしました。先輩の指導を仰ぎながら若い人が運営に参加していけるような構成です。今年は松洽会総会も福岡で開催されるので、会員が力を合わせて松洽会の皆様をお迎え致したいと思いました。その後、柳本佳寿美さんが新年にふさわしい猿引棚のお点前をし、皆で濃茶をいただきました。
 水屋では、福岡が濃茶を練り、お運びは壱岐の方たちに、またお酒のお酌は武雄の方たちがそれぞれ担当し、先生方にはゆっくり過ごしていただきました。オークラ山里の新年のおご馳走に舌鼓を打ち、和やかな時間で松祐会の新しい年がスタートしました。