「椎の木松浦の由来」

(財)松浦史料博物館  木田 昌宏

 江戸時代、江戸では平戸藩主を「椎の木松浦」といっていたそうです。 正月の門飾りに椎の木を用いたからといわれています。1400年代終わりに、平戸松浦氏が近隣の諸氏に攻められ、 守護大名大内氏をたより平戸から逃れました。そして福岡で年を越すにあたり、 近くで門松の松を手に入れることができなかったため、椎の木で代用したのがその始まりです。 大内氏の介入により平戸の松浦氏は地元に戻ることができました。
 また、江戸の平戸新田藩(平戸藩の支藩)上屋敷の椎の木も有名でした。 本所七不思議の一つ「落ち葉なき椎」として取り上げられ、「椎の木は殿様よりも名が高し」という川柳も詠まれています。