初釜薄茶席に参加して
松親会 丸谷博男  
 
 令和8年の初釜が三渓園鶴翔閣において1月18日に開催されました。
会場は、明治・大正・昭和の前半期にかけて、生糸貿易で財を成した実業家原三溪の自宅であり、様々な著名人が訪れた鶴翔閣でした。私は建築を仕事としているので何度も訪問し、庭園内の文化財となっている建物群を探訪しています。皆さまにおかれましてもぜひ邸内を巡っていただきたいと心から願っています。この会場を使用できる有難さも大きく膨らむのではないかと思います。

 当日は晴天に恵まれ、庭園内の緑が映えて美しく、気持ち良い景色がこれから行われる初釜への決意を程よい緊張感に変えてくれました。

 私は今年で5回目の参加になります。少しずつではありますがお稽古や茶事への参加を通して全体の進み方が理解できるようになり、今回は、これまでとはちょっと違った感覚で参加することができました。
 茶席では、「水屋」が不十分であればすべての所作にその影響が出ます。
 お客様の様子を気遣いながら、茶席の進行に気を配り、「水屋」の仕事を各担当が責任もって行うことが必要になります。
 私は、薄茶席を担当しました。役目は、風炉の炭、火の当番でした。
 火の当番は火を点け、常に気を配り維持すること。そして最後に火の始末をすることです。
 午前午後共、支障なくお点前をしていただき安堵しました。
 茶席が始まれば、菓子、お茶のお運びがあり、緊張の連続でした。
薄茶席を無事に終わりまで行うことができたのもお客様方の温かい心に助けられたものと感謝しています。もう少し、お客様の様子を気遣いながらできるようにならなければと感じました。
 大広間での点心席は、参加者全員が集まり、ご宗家様からご挨拶、役員の皆様のご挨拶に続き、全国から参集している皆さまとの交流の場となりました。
 令和8年の初釜に参加できたことに改めて感謝し、今年一年の意欲を育てることができました。東京でのお稽古では、若い男性の参加が目立ち、鎮信流の今後に大きな期待感を感じています。
 最後に、茶道の保存と伝承がこれからも末永く続くことを願い、私の報告を締めさせていただきます。
 本年1月20日から3月15日まで、大宰府にある九州国立博物館では、特別展「平戸モノ語り松浦静山と煕の情熱」が開催されています。1月27日に熊本出張の帰りに時間が取れたので見学してきました。松浦家の「モノ」にふれることで平戸の文化を学ぶことができ、大変有益な時を過ごすことができました。