初釜に参列して
東京支部 松親会 永井 幸子
新年明けましておめでとうございます。

令和五年一月二十二日(日)横浜 三渓園鶴翔閣に於いて, コロナ禍の収束が見えず厳しい時の一期一会のひと時ながら、三年ぶりに御宗家様主催の初釜が開催されました。
 鶴翔閣の玄関を入り目に飛び込んで参りましたのが、数本の青竹に椎の葉が力強くいけられたお飾り、皆を歓迎するかの如く見事でした。
 寄付に進みますと、茶席の入り口には刀掛けが置かれ、武家茶道の神髄を随所に感じることが出来ました。
   

 御宗家様、収様、奥方様との新春を寿ぐご挨拶で、お席が始まりました。







大きなふくべの炭取りに炭が組まれ、御宗家様の炭点前が始まりました。
暖かい火とともにお香の香りが心地よく、温かい雰囲気の中での和やかなお席となり、改めて嬉しさが込み上げて参りました。

花びら餅をいただき中立となり、鳴り物でのご案内で濃茶席に入りました。

 床には加茂本阿弥が楚々といけられており、御宗家様の点前で、練り上げられた「星の初鷹」を堪能致しました。
収様が補佐役をして下さり、恙無く進められました。

 点心席では御宗家様 奥方様 収様を中心に門人七十数名が和気藹々と食事を楽しみ、又御宗家様より八支部に記念の御品を賜わり、各支部長は謹んで拝領致しました。

 午後からは立礼席で門人の点前で薄茶をいただきましたが、奥方様のご説明に、優しさが伝わるお席でございました。
 

恒例の初釜も今回は若い人達が水屋を担い、飛躍と活動の場ともなり一生懸命に役割を果すその姿に感銘を受けました。

最後の席はご宗家様を正客に、水屋係が客となり、収様の点前で一服をいただきましたが、達成感に満ちた夫々の表情に、 鎮信流のこれからを見る思いでございました。

無事に初釜を終え、人と人との心をつなぐことの大切さを感じた一日でもございました。
日本の伝統文化、茶道の精神を引き継いで参りたいと思います。
至福の一日を過ごさせていただきました。ありがとうございました。