平成28年 初釜
松洽会 会長 松浦純二
1月17日(日)朝8時に京浜東北線 山手駅に着き松親会の皆様と共に三渓園に向かい、開門を待って入場しました、霜のおりた砂利を踏みしめ左手の池では昨年生まれたと思われる小鴨が寒さの中元気に泳いでいる光景を横目でみながら鶴翔閣に向かいました。

松親会の皆様とともに時間と戦いながら十時の第一席を迎えることができました。
御宗家のお濃茶席に入ると、床のお軸は申年にちなんで、今年は我々の年だといわんばかりの惺惺の絵が描かれ、お花は新春の竹に、松浦家独特の椎の木、それと南天でお正月に相応しい床飾りでした。

御宗家の濃茶のお点前が始まり、猿引き棚の猿の絵を見ますと、お正月に猿を連れた猿回しが、馬を大切にする大名方のお屋敷を廻り、馬屋にて一年間の馬の安泰と同時に御主君の安泰を祈ったと言うお話を思い浮かべました。
御宗家の力強いお濃茶の茶筅の動きで点てられた星の初鷹のお茶は格別で、今年もいよいよ一年の行事が始まるのだと、実感しつつお茶をいただきました。

今年は東京松親会の担当という立礼の薄茶席に入り心月公の歌会で詠まれたと言う、お庭の紅梅の木でお歌と、軸に書かれた宏月公との関連について席主を勤められた地引様からお話があり、御宗家がお庭の椿ノ木で作られた茶杓のお話を伺いながらお茶をおいしくいただきました。初釜で初めて使われた、オランダ王国 国王に献上されたと同じ水次が登場し、初めて見る方は目をみはりました、一年がかりで製作された三川内焼きの窯元である中里太陽さんも同席して、御宗家のお勧めで製作された水次に関した説明があり、鎮信流とオランダ王国との係わりを、改めて皆様に披露されたことはたいへん意義深いものがありました。

 

皆さんが楽しみにしていたお昼の新年会が100名を越す全国の会員とご招待のお客様で盛大に始まり、御宗家の力強い新年のご挨拶があり、恒例になっている福引で大いに盛り上がり、今年の初釜も盛会のうちに終了することができました。
これで今年の松洽会の行事が始まった事となり、本年が皆様にとって素晴らしい一年になりますことをお祈りしております。