「茶と花の融合展」に参加して
 
梶の会・下関支部松要会 浜谷静枝
 平成26年8月29日(金)〜31日(日)ホテルオークラ東京本館1階にて「茶と花の融合展」が開催されました。
 
 この融合展は文化庁・産経新聞・NHK文化センターの後援を得て隔年開催されているものです。
 収益金は、東日本大震災復興支援に用いられております。
 お茶席は各12流派が3日間、18席をそれぞれの趣向でおもてなしをされておりました。
 鎮信流は29日(金)担当いたしました。
 
 その日は連日の猛暑に変わり曇天、時々小雨が降るという10月中旬の天候の中での開催でした。
 
 鎮信流は平安の間、一畳中板にて、今年一月他界された岩田宗龍様を偲んで、趣向を「別愁」としてお茶席が設えられました。
 
 阪神淡路大震災を発端にチャリティー企画の賛同と共に、日本文化の継承と普及を志に20年来この企画を索引して来られた岩田様への追善の意をこめた趣向でした。
 
 設えは、床の掛軸に松浦家35世観中松浦?公が長子36世諦乗曜公の江戸への旅立ちに際し、弘化三年九月詠まれたお歌
弘化三年(1846年)九月 君が江戸へ旅立ちするに わかれの酒をくみかわすとき
このたびは 君のわたしも波の上を しずかにこえて くだれ東路 
の一幅が掛けられました。
 これは、曜公の旅立ちのお歌に、岩田様との別れを愁うご宗家様のお心を拝察申し上げました。
 その曜公お作の花入れ「竹一重切」に活けられた仙人草が、静かに潔く別れをつげておりました。
 趣向「別愁」に新たな感慨を催された方々もおられ、鎮信流の格調あるお茶席で一服のお茶を差し上げることが出来ましたのはうれしいことでした。
 どのお茶席もいたるところに活けられた花々をたのしみながらの入席で、茶と花が見事に融合しておりました。
 東京支部の皆様、梶の会の皆様が各々の役割を気持ちよく協調して進めておられる姿を拝見することが出来ましたこと、日頃の精進の深さを思いました。
 午前中の席主を担当させていただきましたが、60数名のお席の方々に声が届かず、説明不足、不行届きが多くありましたことをお詫び申し上げます。
 よい学びの機会を与えていただき有難うございました。茶と花の融合展のご盛会をおよろこび申し上げます。