平成23年度松洽会総会
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祥月公御夫妻30年追善法要、献茶式・松洽会総会、お茶会を主催して
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佐世保支部長 松浦純二
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平成23年4月15日松洽会が主催する3日連続の行事の第1日目、平戸雄香寺での祥月公御夫妻 追善法要、献茶式の日がきました。昨年なかばから計画していた一連の行事でした。当日は松洽会会員85名地元来賓のお客様13名と、当初予定していた人数を大幅にオーバーする多くの方々が出席されました。これは偏に祥月公の御遺徳によるもので、いかに多くの会員の方がお慕い申し上げていたかが思われます。 |
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皆さんに大変期待されていた懇親会はハウステンボス ホテルヨーロツパ レンブラントホールで行われました。素晴しい料理とワインでリッチな気分になり、くじ引きで割り当てられたテーブルに座り、初めてお会いする方と会話が弾み、各支部間の交流ができ、和やかな雰囲気で会員間の親睦になりました。 来年の宇和島での総会を楽しみに閉会しました。 今回は東日本大震災に被災された方々の事を思いながら、一連の行事を行なってよいものかという思いもありましたが、東京支部の皆様も多数出席していただき、少しでも元気と勇気を持って帰っていただけたのではないか、と思い後悔はしておりません。 4月17日は長崎国際大学にて記念のお茶会を致しました。 |
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濃茶席でお点前を担当して
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佐世保支部 浦川 礼子
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平成23年4月16,17日と佐世保の長崎国際大学において、鎮信流総会が開催されました。 4月17日お茶会当日、私は大学内の「不息庵」と名づけられたお茶室で、長板のお濃茶を担当させていただきました。皆様をお迎えするにあたり、何度も何度も濃茶を練り、稽古に励み、お茶会に臨みました。 日頃から「平常心でと」心がけておりましたが、当日、思いもかけない御宗家様、奥方様がお入りになり、足元がふわふわと雲の上に居るような感じになってしまい、手は緊張のあまりこわばり、大変でした。一心不乱に、濃茶を練るうちに、少しずつ落ち着きを取り戻す事ができました。 |
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お茶をお出しして御宗家様 奥方様から「よく練れていました」とお褒めのお言葉をいただいた時は感無量でした。今大会を経験させて頂いた事を糧として、お茶の道にさらに精進してまいりたいと思いました。 思い起こせば、不惑の歳に平戸に縁があり鎮信流に入門させていただき、良き師、良き仲間に恵まれ、質実剛健な理にかなったお点前の鎮信流茶道の魅力に引き込まれていきました。天命の歳には茶道にまい進、おかげ様で七通のお免状をいただく事ができました。耳順の歳となった今、私が好きな孔子の「恕」という言葉を大切にし、皆様のご意見をうかがいながら、鎮信流茶道を通じて、自分自身をさらに磨き高めたいと思っております。 最後になりましたが、あたたかく見守ってくださった松清会の先生方、今までご指導下さいました榮岩先生ご夫妻に感謝申し上げます。 また、これまで支えて下さいました皆様本当に有難う御座いました。 |
薄茶席と立礼席を担当して
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長崎国際大学 嶋内 麻佐子
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平成23年4月17日(日)天気は晴天。松洽会総会2日目は、長崎国際大学の茶室自明堂と教室の一角に立礼席を設定して一服の茶を差し上げました。 4月15日には、平戸雄香寺にて祥月公追善法要が行なわれ、祥月公に見守られながら有意義な時を過ごすことができました。薄茶席の待合に祥月公の写真を飾り、その脇に祥月公お好みの"白山吹"を一輪お供えいたしました。写真を拝見された皆様方から、終始和やかな歓声が聞こえてまいりました。 |
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▲御宗家様より懐かしい祥月公のお話を伺いました。 |
●薄茶席
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自明堂は、御宗家様に命名していただいた茶室でございます。自明堂の名の由来は、「自らの心を照らし見る」という意味でございます。ここに皆様方をお迎えすることができ、大変嬉しく思っております。 薄茶席では、祥月公がお書きになった「一期一会」をかけました。花入は丹波のローソク型を置き、糸すぐりと山芍薬の花を入れ、末代まで火を絶やさないという思いを表してみました。又、玄関には出船が帆をたて船出するかのように、"雪餅草"を入れ、皆様をお迎えいたしました。 |
▲大変緊張しております。
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私たち亭主一同、鎮信流の特徴である、「強く美しく」とする武人の茶には程遠いかもしれませんが、一心不乱に茶筅をふらせていただきました。若手男性チームのなかには、カナダからみえたルークとブレンダン、さらに中国からみえた章さんなど、国際色豊かな席となりました。手に汗握るひと時でございましたが、皆様には楽しんで頂けましたでしょうか。 |
▲玄関に飾った"雪餅草"
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▲この席では、長崎国際大学と長崎短期大学の教職員の若手男性チームを編成して、おもてなしをいたしました。
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●立礼席 |
立礼席では、長崎国際大学茶道部の学生達が点前、お運び、水屋を担当いたしました。学生達は、この日を楽しみに稽古してまいりました。お客様全員が鎮信流の先生方とあって大変緊張いたしましたが、日頃の成果を見ていただく良い機会となりました。 軸は雪低筆の扇面、「恥じらいを知る」。福富雪低和尚は、14歳で東京の廣徳寺の福富以清和尚について得度され、同37年に廣徳寺住職に就任なさいました。(同58年には、臨済宗大徳寺派第14代管長に就任。)この廣徳寺は鎮信流と縁のある寺であり、平成21年に松洽会総会が開催された所でもあります。 御宗家様ご夫妻の席では、あまりの緊張で亭主役の学生も強張った表情でしたが、奥方様の優しい一言に救われやっと自分らくし点前をすることができたようです。水屋では、お菓子の盛り方はこれでよいのか?数は足りているのか?など・・心配致しましたが「美味しい」と言っていただき安堵いたしました。 |
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▲奥方様よりお声をかけていただき、ホッとしました。
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▲水屋の様子
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学生達は、声をあげて「7年に1度しかない鎮信流の各支部の先生方に見ていただいて、こんな凄いことはない」と、一期一会の貴重な体験に感動しておりました。
大学も教職員も学生も、まだまだ未熟でございますが、これからも「自己修養のために茶がある」とする流儀の茶を学んでまいりたいと思います。 |